何から始めたらいいんだろう。いつになったら収穫できるんだろう?

こういった悩みに出来るだけわかりやすい言葉で答えます。
自身はホームグロウでの経験を経て、アメリカの最先端大麻企業でプログロワーとして活動しています。
・種から収穫まで最短3ヶ月〜。
・一連の流れをイメージして、フェーズごとの環境設定を意識しよう。
それでは見ていきましょう!
※この記事は大麻栽培が合法な地域にお住まいの方、または移住しようとされている方へ向けた内容になります。お住まいの地域の法律を確認してください。
目次
①大麻栽培の流れについて
成長させる場所と機材が用意できたら、いよいよ大麻の種かクローンを手に入れましょう!
機材に関する記事はこちら
大麻は発芽させてから幼苗期→成長期→開花期→収穫という流れで進んでいきます。
大麻を室内で育てる場合、種からだと最短3ヶ月~で収穫できます。
クローンからだと最短2.5ヶ月から。成長期間をどれだけ長くするかでサイズ、収穫量が変化します。
また品種によって開花にかかる期間が異なります。平均7~9週間ほど。最大で12~15週間かかる品種もあります。
開花期間は種を購入したシードバンクの情報を参考にしましょう。
種はオンラインやディスペンサリーで購入できます。
世界中に発送しているシード会社 Herbies
クローンは知り合いのブリーダーやディスペンサリーで購入しましょう。
種から収穫、仕上げまでの一連の流れ、目安期間について
フェーズごとの期間や温度湿度、ライトサイクルを表にまとめてみました。
②各フェーズごとにやるべきこと、環境設定について
大麻は最適な環境を作って食糧(水、肥料)を与えるとぐんぐん成長してくれます。
グロワーの主な仕事は適切なタイミングで給餌してベストな環境を作ってあげることです。
各フェーズによって目的、注意するポイントが変わるので一連の流れを理解しましょう!
※記載している期間についてはあくまで目安なので、シードバンクの情報や実際のプラントの状態で判断してください。
0.種
使用するまでは乾燥した冷暗所で保管
全ての始まり。
種はレギュラー、フェミナイズド、オートの3種類あります。
フェミナイズド:メス化された種子でクローンも作れる。初心者〜中上級者向け
オート:光周期に関係無く自動で開花する。クローンを作成出来ない。アウトドア、初心者向け
発芽させるまでは冷蔵庫など、乾燥した冷暗所で保管しておきましょう。
発芽させる準備ができたら水を入れたコップに12~24時間浸けます。
※24時間以上は溺れる可能性がるのでやめましょう。
1.発芽
期間:1~10日
ライトサイクル:18時間点灯 6時間消灯
温度22~26度 湿度70~80%
さまざまな発芽方法がありますが、ペーパータオル法が簡単で結果が出やすいです。
水を入れたコップに12~24時間浸けた後は、
湿らせたペーパータオルで種を挟み、さらに2枚の皿で覆い保管します。
定期的に確認して1~10日ほどで発根したら、清潔な培地に植え付けます。
この時期は非常にデリケートなので使用する道具は消毒して優しく扱いましょう。
発芽方法について詳しくはこちら
2.クローン
期間:7~14日
ライトサイクル:18時間点灯 6時間消灯
温度22~26度 湿度70~80%
健康なマザーからクローンを取得し、ロックウールなどで発根させます。
根がしっかり生えたら培地に植え付けます。
中には数%の確率で大きく成長しない子もいるので、あらかじめ余分にクローンを作っておくと安心です。
クローン作成の方法はこちら
3.幼苗期
期間:2~3週間
ライトサイクル:18時間点灯 6時間消灯
温度22~26度 湿度60~70%
ようやく大麻らしい葉っぱが出てきて成長していますが、まだまだ小さいこの時期は水と肥料の与えすぎには注意しましょう。
伸び伸びと育てることを意識してしっかり根っこを張らせることでトラブルにも強くなり、開花した時に大きな花を咲かせてくれます。
4.成長期
期間:3~10日
ライトサイクル:18時間点灯 6時間消灯
温度22~26度 湿度55~65%
プラントも安定してきたら、成長に合わせて肥料濃度、水分量、光量を上げながら好みのサイズまで成長させます。(肥料焼けに注意、異変を感じたらすぐにpH調整した水のみに戻しましょう。)
この時期に鉢上げやトッピング、LSTなどのテクニックを開始して管理しましょう。
開花に入れる1~2週間前にデフォリエーションと光の当たらない芽、下枝を処理します。
オスメス判定、クローン取得もこの時期。
一回り大きな鉢へ植替えること
・トッピング
トップの成長点をカットすることで管理する枝の数を制限すること
・LST(Low Stress Training)
プラントを優しく曲げることで芽に均一に光が当たるようにして、全体の高さを揃えること
・デフォリエーション
余分な葉っぱを取り除くこと
・下枝カット
開花しても光が当たらずバッズがつかない枝をあらかじめカットして、残りの芽にエネルギーを注がせること
5.開花前期
開花1~2週目 期間:1~2週間
ライトサイクル:12時間点灯 12時間消灯
温度23~27度 湿度50~60%
いよいよライトサイクルを12/12に切り替えて開花させます。
肥料はすぐに開花用に切り替えるのではな1~2週目にかけてゆっくり変更しましょう。
開花前期で一気に背丈を伸ばすので、ネットを使う場合はこのタイミングで設置します。
6.開花中期
開花3~5週目 期間:2~3週間
ライトサイクル:12時間点灯 12時間消灯
温度22~26度 湿度50~55%
背丈の成長が落ち着くとバッズを作ることに集中します。
開花3週目でメインのバッズにエネルギーを注げるよう、下部1/3の光の当たらない枝(成長しなそうな枝)を落としましょう。
同様に余分な葉っぱもデフォリエーションします。
肥料焼けに注意しながらPK (リン、カリウム)をしっかり与えて開花を促進させます。
この辺りからトリコームが出てきて大麻特有の匂いがしてきます。
7.開花後期
開花6~7週目 期間:1~2週間
ライトサイクル:12時間点灯 12時間消灯
温度22~25度 湿度45~50%
最後の仕上げで肥料焼け、ライト焼けには十分注意して肥料濃度、光量もピークを迎えバッズを肥大化させていきます。バッズが重くなって垂れてくることもあるので工夫して支えてあげましょう。
仕上がりを想像して楽しみに待ちましょう笑
髭の色、トリコームの色に注目しましょう。
8.フラッシュ
開花8~9週目 期間:10~14日間
ライトサイクル:12時間点灯 12時間消灯
温度21~24度 湿度40~45%
収穫前の最後の10~14日間はph調整した水のみを与えて、土壌に溜まった余分な肥料を洗い流します。トリコームと雌しべ(茶色い髭)の色を確認しながら最適な収穫時期を見極めます。
収穫前の2日間はライトOFFにするグロワーも多いです。
フラッシュについても賛否が分かれますが、個人的には収穫前は風味を良くするため、肥料の無駄遣いを抑えるためにもフラッシュすることを推奨しています。
9.収穫
好みの収穫時期になったら余分ダメージを与えずに根本からスパッと刈り取りましょう。
大きなファンリーフのみ落として残りのシュガーリーフはドライトリムするのが効率的です。
好みでウェットトリムをするならこのタイミング。
・シュガーリーフ:トリコームが付着して砂糖がまぶされたような小さな葉っぱ
10.乾燥
期間:1~2週間
温度15~18度 湿度55~65%
過密にならないよう枝ごとに分解して、風通しが良い場所で湿度を保ちながら逆さに吊るしてゆっくりと乾燥させます。水分がなくなり、枝がポキッと折れるようになったら完了の合図です。
11.ドライトリミング
余分なシュガーリーフもトリミングして綺麗に仕上げます。トリミングの丁寧さで見た目、味が変わるのでこだわりましょう。
シュガーリーフは抽出して濃縮物を作ったりエディブルにしたりと活用できるので保管しておきましょう。
12.キュア
期間:1~2週間
最後の仕上げで密閉されたガラスビンなどで湿度を保ちながら保管することで、乾燥したバッズの水分量を均一にしてくれます。
キュアを行うことで味、風味が格段に良くなるので必ずやりましょう。キュア中は1日1回は空気を入れ替えましょう。詰めすぎに注意。
キュア期間をしっかり取ったバッズは本当に美味しくなります。適切に管理すれば最長2年は保管できます。
③注意する点
初心者の方が間違えやすいポイントを5点紹介します。
事前に読んで失敗を回避しましょう!
・水のやりすぎ(根腐れ)
プラントが小さいうちは多量の水分を消費できないので、水の与えすぎに注意しましょう。
常に培地が湿った状態だと植物が溺れてしまったり、カビがが生える原因になります。
毎回重量を測ったり、培地に指を入れてみて湿っていないか確認してから水やりをしましょう。
・肥料の与えすぎ(肥料焼け)
よくある失敗で肥料の与えすぎに注意しましょう。
強く早く成長させるには肥料は必須ですが、プラントに合わせた給餌をしなければ過剰摂取となってしまい悪影響になります。
肥料焼けの兆候は葉っぱにすぐ症状が出るので注意深く観察しましょう。
まずはメーカー参照のレシピの半分以下の濃度から始めて、プラントの状態をみながら徐々に濃度を上げていきましょう。
・光量、ライトとの距離が近すぎる
ライトとプラントの距離と適切に調光をしなければ、ライト熱によって焼けてしまったり必要以上のストレスがかかってしまいます。葉っぱがカリカリになったり上に向けてカールしているとライト焼けの可能性があります。
肥料焼けとも症状がにているので注意深く観察し、プラントのトップの温度も確認しましょう。
ライトメーカーの推奨強度を参照してください。
・空気の循環と清潔さ
空気の停滞していたり、清潔でないとカビが生えたり虫が出る可能性があります。
カビや虫を見かけたらすぐに適切な処理をすることが重要です。
常に優しく風が吹いている状態を意識しましょう。
・phを確認
pH計を用意して、水やり時は毎回確認しましょう。
適切なpHの範囲内だと栄養素をしっかり吸収することができます。
pHを調整するためのアップ剤、ダウン剤があるので使用しましょう。
・ココ、水耕 5.8~6.5
結論
大麻栽培の一連の流れをイメージして、まずはフェーズごとの環境設定を意識しよう。
・苗~生育期
小さいうちは水も肥料も光量も多く消費できないので、最初は少量から成長に合わせて量、濃度を増やしていく。
環境設定は春から初夏へのイメージ
・開花期
成長と共に表情が変わっていくので段階ごとに必要な要素を意識する。
肥料焼けには注意しながらプラントのポテンシャルを最大限に引き出すよう給餌しましょう。
環境設定は初夏から秋へのイメージ
・収穫、乾燥、キュア
この工程は少しでも早くしたいと思いますが、焦らず丁寧に行ってください。
最後まで手間をかけることで極上の大麻が完成します♪
ベストな収穫時期を見極めるため品種ごとに収穫時期をずらして好みの成熟度を探りましょう。