本記事のテーマ

・大麻栽培でよくある失敗や問題とは?
・どうやって判断するの?
・解決方法は?

大麻を育てると起こりやすい問題ってなんだろう?
特定方法や解決するにはどうすればいいんだろう?

こういった悩みに出来るだけわかりやすい言葉で答えます。
自身はホームグロウを経て、アメリカの最先端大麻企業でプログロワーとして活動しています。

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結論

・常に清潔に保つことが1番の予防策
・環境設定を変更した後、数日間は注意深く観察しましょう。
・定期的に排水のpH,ECも確認して、異常があれば洗い流す。
・トラブルが拡がらないよう原因を特定しましょう。

それでは見ていきましょう!

この記事は大麻栽培が合法な地域にお住まいの方、または移住しようとされている方へ向けた内容になります。お住まいの地域の法律を確認してください。

大麻栽培で起こりやすい問題とは

大麻も他の作物と同様に病気や害虫、カビなどの影響を受けたり、栄養素やpHバランスによるトラブルが起きることがあります。大麻自体は強い植物なので何か異常が起きても、早期に対処すれば回復してくれるでしょう
以下のリストの症状と状態を確認してトラブルの原因を特定しましょう。
できるだけ根が強く張るように育てることで回復が早くなります。

大まかな症状

葉の状態で判断する黄色くなる:欠乏、肥料焼け
上向きに丸まる:ライトや風焼け、欠乏、肥料焼け
茶色くなる:欠乏、肥料焼け、pHトラブル、環境トラブル
垂れる:水不足、水のやりすぎ
下向きに丸まる:欠乏、肥料焼け、水のやりすぎ

②肥料、栄養素について

・栄養欠乏、ロックアウト

左側が主要栄養素+カルマグ、右側が二次・微量栄養素の過不足の表

大麻に必要な栄養素は主要のNPK (窒素、リン、カリウム)や二次、微量栄養素などの複雑な組み合わせが重要です。肥料バランスが崩れることで栄養欠乏やロックアウトになりやすくなります。
各フェーズごとに必要な栄養素を意識して、メーカーのレシピを参照しましょう。カルマグ不足にもなりやすいので注意。

症状葉が黄色や茶色くなったり、パリパリになる、斑点ができる、丸まる、枯れるなどの症状が出ます。
対処法上記のような症状が見られたら排水のEC、pH値を確認しましょう。葉色が薄かったり排水ECが低い場合は肥料の濃度を濃くしましょう。

・肥料焼け

必要以上に栄養素を摂取すると肥料焼けを起こします。メーカ推奨の肥料レシピよりも薄めてから使用して、徐々に濃くして最適な濃度を見つけましょう。

症状葉先が黄色〜茶色くなる、カールする、パリパリになる
対処法排水のEC値をチェックして濃度、給餌頻度を見直しましょう。肥料焼けの症状が見られたらpH調整した水をたっぷり与えて培地を洗い流します。定期的にフラッシュすることも有効です。

・pHトラブル

水やり時のpHが適切な範囲外だとうまく栄養素を吸収できずロックアウトや根腐れの原因になります。

ココ、水耕:5.8~6.5
土:6.0~7.0
症状葉に斑点ができたり変色、枯れたりする
対処法水やりの際はpH UP、DOWN剤を使って液肥のpHを調整して定期的に排水の数値も確認しましょう。

③水やりについて

・水不足

健康な大麻はたくさん水を消費するので水やりを忘れないようにしましょう。水不足になると土壌が乾燥し固くなり根にストレスがかかってしまいます。環境に合わせて頻度や水分量を調節しましょう。

症状水不足になると葉が垂れてしおれてきます。
対処法水やり時にはたっぷりと与えましょう。重量を測ったりして水分の消費ペースを把握すると管理がやりやすくなります。

・水の与えすぎ

水のやりすぎは初心者に最も多い間違いの一つです。土壌が常に濡れた状態では害虫やカビの発生の原因になります。
また根に酸素が供給されないので根腐れを起こしやすく最悪枯れてしまいます。培地を触ったり重量を測る、水分計を使用するなどで土壌の状態を確認しましょう。

症状水が多すぎると葉が重たくなって垂れ下がり、次第に黄色くなり萎れていきます。
対処法排水できる鉢で通気性の良い培地を使用してください。
土壌での水やりは表面から1~3cmほど乾くまで待ちましょう。

④根について

根は大麻を育てるうえでとても重要です。健康な根を育てることで水分、酸素、栄養素をしっかり吸収して成長を促進してくれます。もしトラブルが起きても回復が早くなります。

・根腐れ

排水に問題があったり水のやりすぎなどによってカビや細菌が発生すると根が腐ってしまいます。水耕栽培では水温や光漏れ、酸素不足なども原因になります。最悪そのまま枯れてしまいます。

症状根が茶色くヌルヌルしたり、悪臭がします。葉は萎れて黄色や茶色に変色していきます。
対処法根腐れを起こしたら土やココでは新しい清潔な鉢と培地を用意して、痛んだ根を切り落とし優しく洗い流してから植え替えましょう。水耕栽培では全体を清掃、消毒して対処しましょう。

・根詰まり

鉢の許容サイズを超えて成長すると根詰まりを起こしてしまい、うまく水分、酸素、栄養素を吸収できなくなります。
水分の消費ペースや鉢裏を定期的に確認して、適切な時期に鉢上げを行うことで強い根張りを実現できます。
鉢上げ方法はこちら

症状栄養欠乏を起こしたり、水分をすぐに消費するようになります。
対処法大きな鉢へ移植(鉢上げ)しましょう。ひどい場合は根を切り落とすこともあります。根にダメージを負うと大きくストレスがかかるのでしっかり回復させましょう。

⑤環境について

・熱ストレス、寒さ

適温以上の高温や低温にさらされると大きくストレスがかかってしまいます。30度を超えたり、15度を下回ったら注意しましょう。co2を導入している場合は32度あたりまで温度を上げることもあります。

症状葉が上向きにカールしたり、垂れ下がったり変色したりと異常がみられます。
対処法扇風機、エアコン、ヒーターなどで工夫しましょう。

・ライト焼け

ライト強度が強すぎたり距離が近すぎるとライト焼けを起こしやすくなります。
距離、強度の設定を変更した後や背丈が伸びたら数日間は注意深く観察してください。メーカーの推奨強度を参照しましょう。

症状葉が黄色く変色して、乾燥して上向きにカールします。
対処法異常が見られたら設定変更前の強度、距離に戻しましょう。

・風によるダメージ

直風が当たっていたり、屋外で育てている場合は風焼けにも注意しましょう。常に風にさらされるとダメージを負ってしまいます。

症状新芽の枝が折れたり葉が乾燥して丸まったり、萎れてきます。
対処法優しく葉が揺れる程度の風を目指しましょう。

⑥病気について

・カビ、うどん粉病

湿度が高く空気の流れが悪いとカビが蔓延してうどんこ病にかかりやすくなります。

症状白い粉が葉や芽に拡がっていき、最終的には枯れていきます。
対処法湿度を下げ空気の流れを良くして、リンゴ酢やカビ除去用のスプレーをしましょう。天然由来のものを選びましょう。
早期に発見することが重要です。

・立ち枯れダンピングオフ(苗の時期)

苗の時期に細菌に感染するとすぐに立ち枯れしてしまいます。立ち枯れを起こすとほとんど復活できないので、清潔な土壌、道具を使用して予防しましょう。

・ウイルスや真菌

タバコモザイクウイルスに感染した大麻

土壌由来や湿った不衛生な環境ではウイルスや真菌が発生しやすくなります。感染が広がると収量、質に大きく影響を与えるので常に清潔を心がけて予防に努めましょう。

⑦害虫について

害虫はグロワーにとって非常に厄介な問題です。室内栽培では侵入されない工夫をして常に清潔に保つことが一番の防御策です。

対処法一般的に発生しやすいハダニやアブラムシには黄色い粘着テープやニーム油、めんつゆに食用洗剤を数滴たらして設置するなどが有効です。害虫の種類を特定して適切な対処をしましょう。

⑧その他のトラブル

・オスメス混合

長期間クローンを使い回していたり過度なストレスがかかったり、遺伝的要素などが原因でオスメス混合の株が育つことがあります。

対処法他の株に受粉してしまう恐れがあるので見つけた場合はすぐに取り除くことが賢明です。

・藻の発生(水耕栽培)

水耕栽培では適切なケアを行わないと藻が大量発生する可能性があります。多少なら問題ないですが、藻類は根に生息して、必要な栄養素を奪いとってしまいます。

対処法光を遮断して、藻がついた部分を洗って取り除いたり、薄めた過酸化水素水を散布することも有効です。

・開花しない、再ベジライトサイクル

ライトサイクルを開花期に切り替えた後に、暗闇時に光が当たったり、周期が中断すると成長期に戻ったりオスメス混合株が発生しやすくなるので注意しましょう。

結論

・常に清潔に保つことが1番の予防策

湿った不衛生な環境ではカビや害虫が発生しやすくなります。

・環境設定を変更した後、数日間は注意深く観察しましょう

温度やライトの設定変更後はプラントが適応出来てるか確認しましょう。風向きなども重要です。

・定期的に排水のpH,ECも確認して、異常があれば洗い流すことが有効です

水やりのトラブルはまず排水を確認して原因を突き止めましょう。なにかあればフラッシュして様子をみます。

・トラブルが拡がらないよう原因を特定しましょう

問題が起きるのは何かしらの原因があります。遺伝的、環境、水やり、外部要因なのか特定して対策しましょう。