どうやって二酸化炭素(CO2)使えば良いの?

こういった悩みに出来るだけわかりやすい言葉で答えます。
自身はホームグロウでの経験を経て、アメリカの最先端大麻企業でプログロワーとして活動しています。
・正しくCO2を導入することで収穫量を最大30%増加させることが可能
・初期費用はかかるが長い目でみるとコスパが良い
・CO2を添加したら温度も上げましょう
・正しく使用しないと危険性もあるので注意が必要
それでは見ていきましょう!
※この記事は大麻栽培が合法な地域にお住まいの方、または移住しようとされている方へ向けた内容になります。お住まいの地域の法律を確認してください。
目次
二酸化炭素(CO2)とは
二酸化炭素(CO2)は空気中にもふくまれる気体(ガス)です。動物は酸素を吸い二酸化炭素を吐き出しますが、植物は二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。
大気中には300~500ppm程度の二酸化炭素(CO2)が存在します。室内ではもう少し数値が上がります。
1.CO2の役割
なぜCO2が必要なのか
大麻は光合成して太陽光をエネルギー(糖)に変換するためにCO2と水分が必要になります。また植物の呼吸プロセスでもCO2が使用されます。
CO2を添加するとどうなる?
強力な光と適切な温度のもとでCO2濃度が上がると光合成が活性化されてより早く、活発に成長していきます。したがって収穫量、品質の向上に繋がります。
2.メリットデメリット
メリット
①より早い成長と収穫量の増加
光合成が活性化することで、成長が早くなり収穫量が最大20~30%程増加します。バッズの密度も詰まりやすくなり品質も向上します。
②高温に耐えられる
CO2濃度が高くなることで暑さに対して強くなります。栽培スペースのCO2濃度を1000~1500ppmで維持すると、最大30~32度程度までの温度にも耐えられます。高出力のライトは熱を持ちやすいので温度設定が容易になります。
③セキュリティが向上
CO2を導入すると栽培スペースを密閉する必要があるので、匂い漏れもしづらくなりセキュリティ的なメリットもあります。
デメリット
①コストがかかる
決して安価ではない導入機材の初期投資が必要で、ガスの補給にもランニングコストがかかってくる。中長期的に見れば収穫量の増加によって利益をもたらします。
コントローラー:100~500ドル レギュレーター:60~150ドル ボンベ:100ドル〜(別途ガス充填費用)
圧縮ガスは空きボンベと交換で酒屋や溶接工場、インターネットなどで注文できます。
②密閉された栽培スペースが必要
CO2が部屋から漏れないように密閉された空間が必要です。栽培空間を密閉すると湿度が上がりやすくなるので性能の良い除湿器も導入しましょう。
③十分な照明がなかったり気温が低いと効果を発揮しない
強力な光、適切な気温でなければ光合成を最大限に活性化させることができずCO2の添加が無駄になります。
3.注意点
CO2を添加して正しく効果を得るためには環境設定が重要です。光合成を活性化させてエネルギーをしっかり使えるように以下の注意点を意識しましょう。
①光とCO2
CO2添加のメリットを活かすためには強い光が必須です。
600W以上のLEDライトを使用することが推奨されます。 HPSライトでは7000~10000ルーメンの程度の光が必要です。ライト強度、距離は成長度合いに合わせる必要があるので設定を変更後はライト焼けしないか注意深く観察しましょう。
②温度とCO2
一般的に大麻栽培では25~26度が適温となりますが、CO2を添加する場合は最大30~32度程度まで上げていきます。プラントによっては熱ストレスを受けて、うまく光合成できない場合もあるので設定変更後は特に注意しましょう。
③配置が重要
CO2は空気より重く下に沈むため、プラントの上部から噴出するように設置しましょう。床に小型扇風機を設置して空気を攪拌することも有効です。
④夜間はオフにする
夜間は光合成をしないためCO2を吸い込まなくなるので、添加をストップしましょう。
ライト点灯後30分後に始動して、消灯30~60分前に停止するように設定することで消費量を節約できます。
⑤高濃度のCO2は人体に有害
CO2濃度が高すぎると人体に有害となるので気をつけましょう。5000ppm以上で頭痛やめまいが起こり、10000ppm以上で死に至る可能性があります。コントローラーを使用して異常を感じたらすぐに換気しましょう。
4.導入方法
CO2ボンベ(圧縮二酸化炭素)←最もおすすめ
レギュレーター、コントローラーと組み合わせて使用することで細かな濃度設定が出来ます。コンセントタイマーやswitch botなどと組合せてライト点灯時のみ稼働するようにしましょう。
ボンベ内のCO2は充填式なので、継続して使用するためには予備のボンベも用意しておくと安心です。
CO2バッグ、ドライアイス、発酵ガス
かなり狭いスペースでは多少有効かもしれませんが、正直ほとんど効果はないです。
5.使い方
CO2の適正濃度はライト強度、気温、フェーズによって異なります。通常、大気中のCO2濃度は約300~500ppmです。大麻栽培でCO2添加する場合の目標数値は800~1600ppmとなります。
CO2を添加する時間
ライトが点灯している時間にCO2を添加しましょう。ライト点灯30分後からライト消灯30~60分前まで稼働させることで効率的に使用できます。
成長期
目安濃度800~1100ppm 温度27~30度 成長期の育て方はこちら
成長期間にCO2を添加することで成長スピードが早くなり、より大きく健康的に育ちやすくなります。
開花期
目安濃度1000~1600ppm 温度29度~32度 開花期の育て方はこちら
CO2を加することでより大きく身の詰まったバッズが育ちやすくなります。開花5~6週目あたりにCO2濃度のピーク(1500ppm)になるように1週間ごとに100ppmずつ徐々に上昇するように設定を変更させていくと良いでしょう。収穫前2週間(フラッシュ期間)は添加を停止します。
結論
・正しくCO2を導入することで収穫量を最大30%増加させることが可能
強い光と適切な環境設定が必須ですが、CO2を添加することで光合成が活性化されて質、収穫量が向上します。
・初期費用はかかるが長い目でみるとコスパが良い
ガスのランニングコストもかかるが、商業栽培では必ずCO2は導入されていて、中長期的に見れば収穫量の増加によって利益をもたらします。
・CO2を添加したら温度も上げましょう
光合成を最大限に活性化させるためには室内温度も上げる必要があります。目安温度30~32度程度
・正しく使用しないと危険性もあるので注意が必要
CO2濃度が高すぎると人体に有害となります。5000ppm以上で体に異常が出たりするので違和感を感じたら換気しましょう。